新規事業開発の人事評価

2010年2月9日

新規事業開発の人事評価

新ビジネス・新サービスを作っていく部署・担当者への人事評価精度は段階によって多少違ってくるべきです。

(1)マーケット調査・事業企画の段階
(2)サービスインに向けた物作りや、協業他社・クライアントへの提案段階
(3)フィジビリスタディの段階
(4)本ビジネスの始動段階

(1)のマーケット調査・事業企画の段階では、企画された事業プランの有望性・説得性という、売上という結果が出ていない段階での定性的な評価が必要となる。

また、担当者のモチベーションを下げないために、事業プランを精査に評価できる、経験豊富な上司を企画部署のマネージメントとする必要がある。

具体的には、どれだけ会社にとってインパクトのある事業プランを、どれだけ説得性を持って企画できたかを検証する為に、

・企画した事業計画は、どれだけ将来有望な市場であるか
・企画した商品やサービスは、自社の強みを活かし競争力があるかどうか
・企画としてのアウトプットは論理的・具体的でスムーズに社内説明・稟議ができたかどうか
・企画に必要なメンバーや他部署との協力関係を結べて事を進めることができたかどうか

という指標で、担当者とマネージャー間で評価について議論しなければいけない。

(2)の企画担当者・営業担当者に対しては、

・どれだけビジネスの成功に必要、且つ将来性(柔軟性)を考慮した商品企画(システム要件)を具体化できたか
・どれだけ戦略的に(調査等から営業リストを作成し)、有望なクライアントや協業他社を獲得できたか
・どれだけ有利な条件で交渉が進んだか
・ビジネス開始までのプロジェクト管理をスムーズに出来たか、他のメンバーや他部署と協力できたか

という指標で、評価の意識あわせをする。

(2)の物作り担当者に対しては、

・どれだけ、企画されたビジネスの趣旨を理解し、将来展開を見越した(柔軟性のある)商品設計・サービス設計・システム設計ができたか
・企画・営業部門と積極的に調整し、要件を精査・具体化しながら設計通り・スケジュール通りに物作り・システム作りが達成できたかどうか

という、創意工夫と、具体的な成果(最終構成物)両面からの視点が必要となってくる。

(3)のフィジビリスタディを行う場合には

・先ずは、具体的に検証項目を明確にしたかどうか(これは当たり前であるが)
・それを計測するために十分な、他社・他部署とのパートナリングはできたか
・それを計測するために十分な、商品設計、システム設計を具体化できたか
・検証結果に対して客観的に評価し、実ビジネス展開への課題を抽出できたか
・課題や修正点を解決する施策は企画できたか

という指標での評価が重要となる。

(4)の新規ビジネスを立ち上げた直後の評価制度に関しては

・どれだけ、仮説と検証を持って創意工夫をしたか
・出てきた検証結果に対して、客観的な評価をし、戦略的な施策につなげる事が出来たか

という、試行錯誤を(商品やサービス面・営業面・システム面、全てにおいて)どれだけ行えたかを評価すべきである。

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間違っても、どれだけ売上を達成できたかという指標で評価すべきではない。

新規事業開発の現場では、小さな受注やビジネス(目の前の1000円札)を拾うことは簡単だ、

ただ目の前の1000円札を拾い続けていると、本当に将来大きな花を咲かせる土壌を育てることは不可能といってもよいだろう。

将来大きな花を咲かせるために、戦略的にアライアンス、スキーム、価格設定、商品設計を行う必要がある。

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新規ビジネスの企画・開発の現場では、営業のように定量的な評価をしてはいけないのが定石だ。

例えば事業やサービスを立ち上げる事が評価指標になっていると、将来性のないビジネスを沢山立ち上げる事が行動指標となる。工数の無駄だけでなく、将来性のあるビジネスをじっくり企画し育てようという社内文化がそがれる為、マイナス効果である。

その為に経営者が先ず心がけ・実行しなければいけないのは、

・企画を(ただ単に定量的や社内での評判ではなく)定性的且つ論理的に評価でき

・仮説と検証の創意工夫や実績検証方法について経験豊富で、平等に評価できる

マネージャーを企画部門のTOPとして配置することが第一歩となるだろう。

最後に、それぞれの段階でしっかりと評価してあげることも特に重要。成功した際に評価する、と評価制度を規定してしまうと、誰も、種を見つけて一番地味で苦労する「芽を出す」という企画開発業務に誰も精を出さなくなる。

かつ、成功しそうなときにハイエナの様に社内から出かけた目を奪おうと社員が寄ってきて新規事業を駄目にする可能性も容易に予想される。